2019年 年頭にあたりまして
会員の皆さま
年頭にあたり、執行部・事務局よりご挨拶かたがた今年度の活動を振り返り、また来年度に向けてお願いを申し上げたいと存じます。
今年度もおかげさまでほぼすべての行事を無事終えることができました。5月総会での辻本庸子先生による、「待合室の情景――フラナリー・オコナーとエリザベス・ビショップ」という、意外な交流を論じたご講演に始まり、各月例会でも刺激的な研究発表がありました。6月にはアメリカからChristopher Rieger教授をお招きして、三島由紀夫等との比較文学的な視点からフォークナー文学についてご講演いただきました。7月の「アフタヌーン」シリーズでは後藤篤先生を中心に、「ナボコフ・ルネサンスのあとさき——新訳で読みなおすスイス時代の創作」と題して、最近次々に邦訳が出版されているナボコフについて最新の研究成果を知ることができました。11月の池末陽子先生司会による若手シンポジウム「現代作家と古典」では、アメリカの古典的・代表的な小説家・詩人と現代作家のこれまた意想外の組み合わせに、聴衆一同驚かされるとともに、若手研究者の旺盛な研究力に鼓舞された次第です。12月大会では山本秀行先生主宰によるフォーラム「アメリカ文学における笑いとその戦略――スラップスティック、オートマティズム、キャンプ、ポストアイロニー」において、「笑い」という、論じるのが極めて難しい、しかし文学に欠かすことのできない要素を縦横に論じていただきました。そして、1月の臨時総会では佐々木徹先生から「ヘンリー・ジェイムズの小説芸術と英国小説――ジョージ・エリオットを中心に」と題するご講演をいただき、作家が他の作家に抱く称賛とライバル視の複雑さとともに、小説研究の醍醐味を堪能することができました。
慶事としては、里内克巳会員が第3回日本アメリカ文学会学会賞、平川和(のどか)会員が関西支部第5回奨励賞を受賞されました。昨年度から受賞が続いていることは関西支部の底力の何よりの証であると思います。
二年間、大変拙い運営ではありましたが、現執行部・事務局にご支援賜り、まことにありがとうございました。
次期事務局は杉澤伶維子先生、池末陽子先生(関西外国語大学)、李春喜先生(関西大学)、編集事務局は古賀哲男先生(大阪市立大学)、木原善彦先生(大阪大学)となります。来年度もさらに充実した支部活動を続けてまいりたいと考えております。倍旧のご支援、ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。
アメリカ文学会全国大会での発表申し込みは3月末日が締切です。また、支部例会での発表希望も随時(できましたら早めに)お寄せ下さい。また、『関西アメリカ文学』への投稿(4月15日締切)もよろしくお願いいたします。
なお、例会の案内を関西支部ウェブサイト及びメールマガジンに切り替えております。メールアドレスをお持ちの場合は、(変更も含めて)事務局までお知らせいただければ幸いに存じます。
以上は、2019年3月末日までは、現事務局(甲南大学、秋元研究室)までお願いいたします。次期事務局の連絡先・メールアドレスは、後日関西支部ウェブサイトでお知らせいたします。
執行部・事務局一同