書籍名: 『アメリカン・ポエジーの水脈』(龍谷叢書第62号)
編著者: 藤本雅樹監修、池末陽子+三宅一平編著
発行年月日:2024年12月15日
出版者: 小鳥遊書房
頁数: 460 頁
定価:本体4,500円+税
ISBN:978-4-86780-068-3
本書は「詩」、「詩人」、あるいは「詩的想像力」をキーワードに「詩なるもの(ポエジー)」とは何かを探る試論20編を収録したものである。「詩」と「言葉」のコラージュを通して、作家たちの詩的想像力の源泉を辿る。
目次
はじめに—詩と言葉についてのコラージュ (藤本 雅樹)
第一部 詩を読む/詩人を読む
第一章 デモクラシーの断片—メルヴィルの『戦争詩篇』を読む(西谷 拓哉)
第二章 ドライサーと詩—ウォバッシュ川のザリガニと聖母マリアの行く末(吉野 成美)
第三章 「疑い」の技巧—カート・ヴォネガット作品における「詩」の不安定性(三宅 一平)
第四章 サイクルのなかの詩人気質のドリーマー—ユージーン・オニールの『詩人気質』をめぐって(貴志 雅之)
第五章 北米の一詩人に魅せられて—阿部知二の卒業論文「詩人エドガー・アラン・ポウについて」(池末 陽子)
第二部 詩的風景の向こう側
第六章 アウラとしての抒情—カーソン・マッカラーズの『結婚式のメンバー』を読む(西山 けい子)
第七章 フィクションとしての自叙伝に秘められた詩的想像力—シャーウッド・アンダスンの『物語作者の物語』一考察(田中 宏明)
第八章 ナサニエル・ホーソーンの庭園、塔、洞窟—『大理石の牧神』における風景論(稲冨 百合子)
第九章 モナーク蝶の飛翔—レイチェル・カーソンのエコロジカルな想像力(浅井 千晶)
第十章 アメリカの翳り(サンセット)と持続する生の可能性—ポール・オースターの『サンセット・パーク』における老い(内田 有紀)
第十一章 蘇るポストヒューマン・バートルビー—ドン・デリーロの『ボディ・アーティスト』を導きの糸として(渡邉 克昭)
第三部 詩的想像力のポリティクス
第十二章 テネシー・ウィリアムズの詩的想像力—「キックス」と『欲望という名の電車』をめぐって(古木 圭子)
第十三章 弔いなき愛国者の「死」—メルヴィルの『イズレイル・ポッター』における「詩的想像力の正義」(大川 淳)
第十四章 トランスベラム・ヘンリー・ジェイムズ(水野 尚之)
第十五章 四次元の扉を開く—ジェイムズ文学と超空間の交錯(中村 善雄)
第四部 詩人たちのアメリカ
第十六章 詩人と黒人兵士たち—ポール・ロレンス・ダンバーの時代意識(里内 克巳)
第十七章 幸せと贖(あがな)いのサンドイッチ—詩人カーヴァーと『水と水とが出会うところ』(橋本 安央)
第十八章 木陰で歌う詩人たち—ジョニー・B・グッドとは誰なのか(水野 眞理)
第十九章 アメリカ詩のゴールドラッシュ、サンフランシスコ・ベイ・エリア(原 成吉)
第二十章 詩を求めて—ロバート・フロストの初期詩篇を読む(藤本 雅樹)
編集後記—「詩なるもの(ポエジー)」に寄せて(池末 陽子)
索引