『19世紀アメリカ作家たちとエコノミー──国家・家庭・親密な圏域』
真田満・倉橋洋子・小田敦子・伊藤淑子編著
彩流社
刊行日 2023年2月28日
ISBN 978-4-7791-2868-4
定価 本体3200円+税
資本主義経済下、「金銭問題」と向かい合う作家たち──「エコノミー」の視点から、19世紀アメリカ文学を解きほぐす。
作品の商品価値と芸術性のバランス、出版と景気、経済的困窮、遺産相続、家庭経営……作家の「台所事情」は、どのように作品に反映されているのか。
エマソン、ホーソーン、ポー、マーガレット・フラー、ソロー、ソジャーナ・トゥルース、ストウ、メルヴィル、トウェイン、ヘンリー・ジェイムズ等。
目次
第I部 南北戦争前/経済編
エマソン経済圏としてのコンコード(小田敦子)
ホーソーンの「不滅の名声の夢」追求と経済的困窮との闘い──ホレイショ・ブリッジの友情と援助(倉橋洋子)
成功者への道──ポーの「実業家」にみるウォール・ストリート風のビジネス手法(池末陽子)
マーガレット・フラーのイタリアにおける経済的困難と「真実」探究──「レイラ」からイタリアの革命へ(伊藤淑子)
『ウォールデン』における冬の経済──ソローと暮らしのエコノミー(高橋 勤)
北部出身の元奴隷ソジャーナ・トゥルース──自らを広告する黒人女性(野口啓子)
第Ⅱ部 南北戦争前/家庭経営編
経済の呪い──ホーソーンの『七破風の屋敷』における親密圏の形成(生田和也)
メルヴィルの家計/家庭の問題とフランクリン批判(真田 満)
「煙突」の構造──メルヴィルにみる家計と創作のディレンマ(西谷拓哉)
家政学の誕生と家庭性神話の再考──チャイルド、ビーチャー、ストウ(城戸光世)
第Ⅲ部 南北戦争後
我が風狂の兄──トウェインが描いたオーリオン・クレメンズ(里内克巳)
親密圏のジェイムズとボサンケット──タイプライターのエコノミーと書くことへの欲望(中村善雄)
小説執筆という労働──ヘンリー・ジェイムズ「ブルックスミス」と一貫性の呪縛(竹井智子)