杉澤伶維子著『フィリップ・ロスとアメリカ―後期作品論』
彩流社 /2018. 12. 25./270ページ/3,200円+税/ISBN978-4-7791-2552-2
概要
「ユダヤ系作家」としてアメリカ文学史に名が刻まれていたフィリップ・ロス。だが、後期作品に限定して読むと、20世紀後半のアメリカの現実からアメリカの理念や思想の心髄までを透視して、個人の尊厳を求めてことばで闘った「アメリカ作家」であった。本邦初となるロスの本格的な研究書。
目次
はじめに フィリップ・ロスの死
序章 アメリカを語る(ユダヤ系)アメリカ作家
第一章 パストラルを求めて――『カウンターライフ』
第二章 起源の地にて――『オペレーション・シャイロック』
第三章 居場所の問題――『サバスの劇場』
第四章 想像力と創造性――『アメリカン・パストラル』
第五章 裏切りと純粋さ――『私は共産主義者と結婚していた』
第六章 個人と共同体――『ヒューマン・ステイン』
第七章 「小さな物語」の記憶――『プロット・アゲインスト・アメリカ』
第八章 作家の老いをめぐって――『ゴースト退場』
第九章 「見えない矢」を語る――『ネメシス』
序章 「プロット・アゲインスト・アメリカ」
あとがき
引用・参考文献
索引