本書「まえがき」よりーー
この本はアメリカの作家ナサニエル・ホーソーン(1804—1864)が、建国までのアメリカ初期の歴史をこども向けに書いた物語です(第一部~第三部)。
そのあとに偉人伝物語(第四部)がついていますが、こちらはさまざまの偉人のこども時代を描いています。アメリカ建国物語に出てくるのは日本人にはなじみの少ない人たちが多く、偉人伝物語で取りあげられるのも、半分は聞いたことのない人たちかもしれません。でも、戦争あり、インディアンとの交流あり、さらには恋の成就や英雄の活躍ありの物語をドキドキハラハラしながら読んでいくと、だれもが信念を持って精いっぱい生きていたとわかるでしょう。人生の道しるべを見つけることができるかもしれません。
ホーソーンは、〈ピューリタン〉と呼ばれる人たちの入植からアメリカの独立にいたる歴史に深い関心を持っていて、多くの作品の舞台にその時代を選んでいます。代表作の長編『緋文字』や、「優しい少年」、「白髪の戦士」、「エンディコットと赤い十字架」、「総督官邸に伝わる物語」のような短編は、まさにこの時代を扱っているので、この本を読んでおもしろそうだと思ったら、ぜひあわせて読んでみてください(どれも日本語の翻訳が出ています)。
目次
まえがき
第一部 おじいさんの椅子
序文
第一章 (おじいさんのお話の始まり)
第二章 レディ・アーベラのお話
第三章 赤い十字架のお話
第四章 (ロジャー・ウィリアムズ)
第五章 (植民地の政治)
第六章 松の木銀貨のお話
第七章 (クエーカー迫害とインディアン迫害)
第八章 インディアンの聖書のお話
第九章 (ピューリタン革命と植民地)
第十章 沈没船の宝物のお話
第十一章 (椅子のお話はひと休み)
第二部 有名なむかしの人たち
序文
第一章 (秋になってお話が再開)
第二章 (セーレム魔女騒動)
第三章 むかしの学校のお話
第四章 (フランス植民地との抗争)
第五章 (コットン・マザー牧師)
第六章 人びとが拒んだ恩恵のお話
第七章 (当時のファッション)
第八章 植民地総動員のお話
第九章 流浪のアカディア人のお話
第十章 (〈むかしのフランス戦争〉)
第十一章 (トマス・ハッチンソン副総督)
第三部 〈自由の木(リバティー・ツリー)〉
序文
第一章 (年が明けてお話はつづく)
第二章 (印紙法)
第三章 ハッチンソンさんと暴徒のお話
第四章 (イギリスによるボストン制圧)
第五章 ボストン大虐殺のお話
第六章 (独立の偉人たち)
第七章 ボストン茶会事件のお話
第八章 (ジョージ・ワシントン)
第九章 ある王党派のお別れのお話
第十章 (アメリカ独立)
第十一章 おじいさんの夢のお話
第四部 偉人伝物語
序文
第一章 (目の見えなくなったエドワード)
第二章 ベンジャミン・ウェスト
第三章 アイザック・ニュートン卿
第四章 サミュエル・ジョンソン
第五章 サミュエル・ジョンソン(つづき)
第六章 オリヴァー・クロムウェル
第七章 ベンジャミン・フランクリン
第八章 ベンジャミン・フランクリン(つづき)
第九章 クリスティーナ女王
訳者解題
おわりに
年表
図版クレジット
索引