書籍名:アメリカ文学史への招待――豊饒なる想像力
編著者:橋本安央,藤井光,坂根隆広
著者:池末陽子,大川淳,古井義昭,舌津智之,稲冨百合子,小南悠,白川恵子,石原剛,中村善雄,小林久美子,水口陽子,畔柳和代,金澤哲,出口菜摘,戸田慧,ハーン小路恭子,坂井隆,後藤篤,木原善彦,西光希翔
発行年月日:2025年3月15日
出版者:法律文化社(出版社のサイトにジャンプします)
頁数:314頁
定価:本体2,900円+税
ISBN:978-4-589-04392-4

【概要】
〈始まり〉から近代文学として立ち現われ,内包する革新的精神をもとに文学史観を大きく変容させてきたアメリカ文学。作品をめぐる視点が後退しつつあるいまだからこそ,本書は文学史の原点に立ち戻り,狭義の文学を文学作品として読む姿勢を基軸とする。コンパクトながらも本格的な,読み物としてのアメリカ文学史である。くわえて代表的な30作品を取り上げて,その特徴と魅力を具体的に探るとともに,世界文学の中におけるアメリカ文学,アメリカ文学と日本文学の関連性,21世紀の移民文学等も射程にいれ,日本語読者が読むべき読書リストを付す。

【目次】
はしがき

序章 ダイジェスト アメリカ文学史

●第Ⅰ部 アメリカ文学史
イントロダクション――邂逅(かいこう)の衝撃
アメリカ大陸の「発見」
新世界と活版印刷術
「発明」されるアメリカ
第1章 起源と始動――植民地時代~1820年
アウトライン
ピューリタン文学
理神論の18世紀
アメリカ小説の誕生
第2章 ロマン主義の時代――1820~1865年
アウトライン
ロマン主義文学の誕生
アメリカン・ルネサンス
第3章 リアリズムと自然主義――1865~1914年
アウトライン
リアリズムの勃興
リアリズムから自然主義へ
第4章 モダニズムの時代――1914~1945年
アウトライン
モダニズムの幕開け
モダニズム小説の展開
複数のモダニズム
第5章 冷戦と体制の動揺――1945~1963年
アウトライン
時代の空気と戦後文学
第6章 ポストモダニズムと多様化の時代――1963~2001年
アウトライン
ポストモダニズムの勃興
第7章 21世紀――2001年~
アウトライン
アメリカ文学の現在

●第Ⅱ部 作品解題
1 エドワード・テイラー『準備のための瞑想』(1682-1725執筆)
2 ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』(1818-19)
3 ワシントン・アーヴィング「リップ・ヴァン・ウィンクル」(1819)
4 ラルフ・ウォルドー・エマソン『自然』(1836)
5 エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」(1841)
6 ナサニエル・ホーソーン『緋文字』(1850)
7 ハーマン・メルヴィル『白鯨』(1851)
8 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー『ウォールデン――森の生活』(1854)
9 ウォルト・ホイットマン『草の葉』(1855-92)
10 エミリー・ディキンソン「わたしは見ることが好き,それが何マイルも舐めていき――」(1862)
11 ヘンリー・ジェイムズ『ある婦人の肖像』(1881)
12 マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』(1885)
13 セオドア・ドライサー『シスター・キャリー』(1900)
14 イーディス・ウォートン『歓楽の家』(1905)
15 シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ,オハイオ』(1919)
16 T・S・エリオット『荒地』(1922)
17 ウィラ・キャザー『迷える夫人』(1923)
18 F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(1925)
19 アーネスト・ヘミングウェイ『武器よさらば』(1929)
20 ウィリアム・フォークナー『八月の光』(1932)
21 J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』(1951)
22 フラナリー・オコナー『賢い血』(1952)
23 ジェイムズ・ボールドウィン『山にのぼりて告げよ』(1953)
24 ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』(1957)
25 シルヴィア・プラス『エアリアル』(1965)
26 トマス・ピンチョン『重力の虹』(1973)
27 レイモンド・カーヴァー『大聖堂』(1983)
28 コーマック・マッカーシー『プラッド・メリデイアン あるいは西部の夕陽の赤』(1985)
29 トニ・モリスン『ビラヴド』(1987)
30 コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』(2016)

●第Ⅲ部 資料
アメリカ文学を読む日本語読者のための読書リスト
関係年表
関連地図

人名索引
作品索引